ヴォルテールと表現の自由

ちょうどいま あいちトリエンナーレ問題で表現の自由がどうのこうの騒がれているので

奇特な私は表現の自由について思想史的に調べてみようと思ってとりあえず某wのつくサイトを引いてみた。

ja.wikipedia.org

すると、

表現の自由の貴重さはミルトンヴォルテールミルなどによって説かれてきた。

とあるもんだから、ミルトンはまあ『アレオパジティカ』で知ってて岩波文庫にも訳出てるからそれはそれで読もうと思いつつ

ヴォルテールはちゃんと調べたことがなかったので、調べることにしました。

早速、図書館に走ったわけですが、ヴォルテールのどの論考だよ、と思って

なかなか見つからんと思ってた矢先、同じくwのつくサイトでヴォルテールの項目を調べたら、

ja.wikipedia.org

なんということに、

有名な「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」(または「―権利には賛成だ」。フランス語の翻訳文では「命をかけて」は同義の「飽くまで」)という言葉は、民主主義自由主義のとりわけ表現の自由言論の自由の原則を端的に示した名文句として人々に記憶されているが、実はヴォルテールの著作や書簡にはみえず、S・G・タレンタイア(Stephen G. Tallentyre、本名Evelyn Beatrice Hall)の著作『ヴォルテールの友人』("The Friends of Voltaire"、1906年)中の「'I disapprove of what you say, but I will defend to the death your right to say it,' was his attitude now.」の部分翻訳である。これは当時物議を醸した書物『精神論』とその著者クロード=アドリアン・エルヴェシウスに対するヴォルテールの態度のタレンタイアによる要約であり、ヴォルテール自身の言葉とはされていない。 なお Norbert Guterman の『A Book of French Quotations』(1963)は、この Hall の言葉を、ヴォルテールの1770年2月6日、M. le Riche あての書簡にある、「私はあなたの書いたものは嫌いだが、私の命を与えてもあなたが書き続けられるようにしたい」(Monsieur l’abbé, je déteste ce que vous écrivez, mais je donnerai ma vie pour que vous puissiez continuer à écrire.)にもとづくものとしているが、実際の Riche あての書簡にはそのような文言は存在しない。

とあるじゃないか。

 

まあそんなわけで、表現の自由について調べるのはもういいやと思って

折角ヴォルテールの『哲学書簡』を借りてきたので、別のを読んでみるかと思い、いろいろ読むことにしました。感想のほどはまたの機会にでも。